<SPF・PA・耐水性>日焼け止めにまつわる数値について解説します
「夏慢性化」といったワードも耳にするようになった昨今。日焼け止めは夏だけでなく、1年中必要なアイテムであるとの認識も広まっているのではないでしょうか?日焼け止め(UVケア)市場も拡大し、多機能なアイテムなど種類も増えています。そこで今回は改めて日焼け止めにまつわる数値と、UV耐水性について解説していきます。
地表に届く2種類の紫外線
UV-Aの肌への影響
UV-Aは波長が320~400nmで長波長紫外線に分類されます。肌の奥深く真皮にまで届き、肌のハリや弾力を失わせ、シワやたるみといった肌の老化現象を促進します。また、肌を黒くさせる「サンタン」を引き起こす作用もあります。
UV-Bの肌への影響
UV-Bは波長が280~320nmで中波長紫外線に分類されます。主に表皮に強く影響を与え、短時間でも肌が赤く炎症する「サンバーン」を引き起こします。シミやソバカスの原因にもなります。
紫外線防御効果の程度を表す「SPF」と「PA」
SPF→UV-Bを防ぐ指標
SPFとは「Sun Protection Factor」の略。SPFの数値はUV-Bの防止効果を表しています。何も塗らない場合に比べてUV-Bによる炎症をどれぐらい長い時間防止できるかを表しており、SPF1あたり約20分間UV-B防止効果があります。国内表示規格最高値は「50+」で、SPFが51より大きいことを表しています。
例:SPF30:20分×30=600分→約10時間程度の効果が期待できる。
PA→UV-Aを防ぐ指標
PAとは「Protection Grade of UVA」の略。UV-Aの防止効果を表しています。何も塗らなかった場合と同程度のサンタンを起こすまでの時間の倍率により「PA+」「PA++」「PA+++」「PA++++」の4段階で表示され、「+」の数が多いほど防止効果が高くなります。
PAの種類 | 何も塗らなかった場合と同程度のサンタンを起こすまでの時間の倍率 | UV-A防止効果の目安 |
PA+ | 2 以上 4 未満 | UV-A防止効果がある |
PA++ | 4 以上 8 未満 | UV-A防止効果がかなりある |
PA+++ | 8 以上 16 未満 | UV-A防止効果が非常にある |
PA++++ | 16 以上 | UV-A防止効果が極めて高い |
新基準「UV耐水性」とは?
今まで日焼け止め製品の「ウォータープルーフ(水に濡れても大丈夫)」には明確な基準がなく、各メーカー独自の基準で記載されていました。消費者が日焼け止め製品の耐水性を客観的に比較できることを目的とし、日本化粧品工業連合会によって耐水性の基準が統一されました。2024年12月からは耐水性を記載する紫外線防止用化粧品には、基準に則った試験で耐水性を測り、表記する必要があります(2022年12月から運用開始。2024年11月までは猶予期間)。これにより耐水性を想起させる「ウォータープルーフ」や「Very Water Resistant」というワード単体での表記はNGとなります。
日焼け止め製品における耐水性とは、水に濡れたあとでもUV効果があるのかを指しています。したがってUV耐水性の試験では、水に濡れてもSPF効果が50%以上残っているかどうがが判断基準となります。
UV耐水性★ (UV耐水性☆) |
UV耐水性★★ (UV耐水性☆☆) |
合計40分の水浴試験で、SPF値を50%以上維持できる | 合計80分の水浴試験で、SPF値を50%以上維持できる |
UV耐水性は、SPF値を維持できるかどうかの試験で判断しているため、記載にはSPF値との併記が必須となります。UV耐水性単独での表記は認められません。併記してあれば、SPF表示より前にUV耐水性を表記することは認められています。記載するSPF値は耐水試験前の数値です。
また、紫外線防止製品の耐水性を消費者が混乱せずに比較を行うことを目的にした基準のため、UV耐水性表記の近くに「ウォータープルーフ」や「Very Water Resistant」というワードを配置することはできません。表記したい場合は、製品の裏面に表記するなど配慮が必要です。
◎UV耐水性に関する注意点
ここで測っている耐水性はプールや海などでの「外側」からの水に対する耐水性で、「内側」からの汗に対しての耐久性は該当しません。消費者に誤解を与える表記になっていないか、注意が必要です。また、この新基準は紫外線防止効果の耐水性に関するルールのため、SPF値を表記しないメイクアップ製品(マスカラやアイライナー等)には適用されず、従来通り自社基準での「ウォータープルーフ」表記が可能です。
まとめ
シャンソン化粧品OEMでは日焼け止め製品を多数手がけております。紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)/天然100%/オーガニック認証取得の処方実績もございます。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。