特記表示で訴求ポイントを的確に伝える
化粧品の広告表現の中で、下記のような表現を見かけたことはないですか?
レチノール※
ナイアシンアミド※
※保湿成分
このように化粧品の広告やパッケージにおいて、特定の成分や特性を強調する表示方法を「特記表示」と言います。特定の成分が有効成分であるかのような誤解を与える表示は、原則禁止されています。ただし、成分の配合目的が薬機法で定める56項目の化粧品の効能・効果の範囲内であれば、配合目的を明記することで特記表示が可能です。
1.成分の配合目的が56項目の化粧品の効能・効果の範囲内であること
2.配合目的を明記すること
3.成分に関する情報が消費者に誤解を与えないよう適切に管理されていること
一般的に以下の表記方法が多く見られます。
◯◯◯◯※配合 ※△△成分
↓ ↓
成分名 配合目的
いくつか事例を紹介します。
◎化粧水A
ヒト型セラミド※配合
※セラミドAP、セラミドNP(保湿成分)
◎化粧水B
濃縮ハトムギエキス※1、ハトムギオイル※2配合
※1:ヨクイニンエキス(保湿成分) ※2:油溶性ヨクイニンエキス(保湿成分)
◎美容液C
純粋レチノール※1 ✕ ビタミンC※2 配合
※1:整肌成分 ※2:パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(整肌成分)
ヨクイニンやパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは一般消費者には聞きなじみがない成分名ですね。そういった成分については通称(ハトムギ・ビタミンC)で強調し、注釈で成分の正式な表示名と配合目的を明記するパターンも広告表現のテクニックのひとつです。
上級編として・・・
◎洗顔料D
美容ミネラルクレイ※が汚れを吸着。
※タナクラクレイ、カオリン(洗浄成分)
◎ファンデーションE
ケア成分※配合で肌を守る。
※トコフェロール(整肌成分)、α-グルカンオリゴサッカリド(整肌成分)、ポリムニアソンチホリア根汁(整肌成分)、乳酸桿菌(整肌成分)
◎クリームF
保湿力UP 皮脂サポート成分※増量
※スクワラン、ワセリン(すべて皮膚保護成分)
その商品において訴求したいポイントとなる成分の集合体に名前をつけ、関わる成分の正式な表示名と配合目的を注釈で表記します。消費者に伝わりやすく、かつ、誤解を与えない名前をつけるテクニックが必要となります。
まとめ
今回は「特記表示」についてご紹介しました。社内に薬機法チェック機関もありますのでパッケージ表記に関する相談もお受けできます。お客様の訴求イメージをぜひお聞かせください。