セラミドとは?種類や由来も解説!
化粧品原料でよく登場する「セラミド」。特にスキンケアの売り場でよく目にしますね。どんなものか、どんな種類があるのかご存知ですか?
1.セラミドとは?
実はセラミドは人間も含め陸上で生活する生物には備わっている、「肌のバリア成分」です。3億6千万年前、両生類が陸上に進出し、進化していく中で、外部刺激や乾燥から身を守るために肌にセラミドをつくり出し角質層を形成しました。水中で暮らす魚には現在でも角質層はありません。
セラミドは加齢や、肌の摩擦、ターンオーバーの乱れ、紫外線の影響などにより減少します。セラミドが不足すると、角質がめくれ上がり、バリア機能が低下。肌内部の水分が蒸発しやすく、外部からの刺激も受けやすくなります。
【セラミド不足による肌トラブル】
敏感肌 / 乾燥 / キメの乱れ / 肌あれ / アトピー性皮膚炎
逆にセラミドで満たされた健康な肌は、肌がうるおい、キメが整い、肌があれにくくなります。
【セラミドで満たされた肌状態】
肌がうるおう / キメが整う / 肌あれしにくい
よって、セラミドを化粧水などのスキンケア製品で補完していくことが望ましいと考えられます。
2.セラミドの種類は?
セラミドには、「天然セラミド」「ヒト型セラミド」「植物性セラミド」「疑似セラミド」の4種類があります。
●天然セラミド
馬や牛などの哺乳類由来のセラミドで、皮膚への浸透性がよく、高い保湿効果が期待できます(ビオセラミド、セレブロシドなど)。動物由来なので、化粧品業界としては敬遠される傾向がある印象です。
●ヒト型(バイオ)セラミド
人の肌にあるセラミドに似せて作られたもので、酵母などから作られます。保湿効果や浸透力に優れています(セラミドNG、セラミドNP、セラミドAPなど)。
●植物性セラミド
コメ、とうもろこし、大豆などから抽出された植物由来のものです。人の肌にあるセラミドとは一部構造が異なります。天然・ヒト型に比べればやや浸透力は下がるが保湿力はあります(コメヌカスフィンゴ糖脂質、ユズ果実エキスなど)。
●疑似セラミド
セラミドに似せて化学的に合成したセラミド。合成類似セラミドとも呼ばれ、製剤への溶解性が高いといった特徴があります(セチルヒドロキシプロリンパルミタミドなど)。
表示名称に『セラミド』という分かりやすいワードが入るヒト型セラミドの配合リクエストが多くなっています。
3.セラミドは天然系乳化剤?!
乳化剤は水と仲の良い部分と、油と仲の良い部分を両方もっていて、水と油の間に入り、水と油を混ぜ合わせてくれます。実はセラミドも水と油を混ぜ合わせて乳化する力があるため、セラミドも天然系乳化剤なのです。他の乳化剤を一切使用せず、セラミドだけを用いて乳化をおこなう「セラミド乳化」という技術を採用することで、製品そのものが肌のバリア機能を果たし、敏感肌や乾燥肌を改善します。
まとめ
今回はセラミドの種類や由来について紹介しました。ご希望商品のイメージや持たせたい特性に沿って処方を組んでいきます。相談しながら進めていきましょう。